Macをマルチユーザーで2年使ったノウハウ
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仕事とプライベートを分けたいとか、家族でMacを共有して使いたいなどの理由で、Macを複数ユーザーで使うことがあります。 私は、2年間にわたってMacを2ユーザーで使ってきました。これから複数ユーザーで使う人のために、マルチユーザーの困ったところや、気づきをまとめます。
(一番困ったのは、Homebrewだったかもしれない。最下部に記載。)
マルチユーザーの設定方法 #
ユーザーの作り方は、至って簡単です。管理者のアカウントでログインし、システム環境設定から、ユーザーを追加します。 フルネームの部分は日本語の名前でOK。アカウント名は、日本語にできず、使用不可の文字は入らないようになっています。
パスワードの入力も済ませて完了すると、追加したユーザーのホームフォルダ /Users/アカウント名
が作成されます。
ホームフォルダにデフォルトで存在するフォルダの中身は、他のユーザーから閲覧できない #
/Users/アカウント名
より下に、そのアカウントが管理するファイルを保存します。Desktop
フォルダや、Documents
フォルダがあります。これらのフォルダは、他のユーザーから中を見ることができません。
/Users/アカウント名
のディレクトリは、750の権限- 他のユーザーは、閲覧と実行が可能
/Users/アカウント名/Desktop
などは、700の権限- 他のユーザーは、閲覧不可
ホームフォルダに自分で作ったファイルやディレクトリは、適切に権限を設定する #
ホームディレクトリにファイルやフォルダを自分で作ると、権限が755になるので、もれなく他のユーザーから中身を見ることができてしまいます。
ホームディレクトリに自分で作成したフォルダやファイルは、必ず、ターミナルでchmod 700
を実行します。
「情報を見る」からは、アクセス不可にできません。
ファイルを他のユーザーに共有したいときは、パブリックやドロップボックスフォルダを使う #
それでも、ファイルを他のユーザーに見せたいとき、あるいは個別に渡したいときがあります。そういうときは、/Users/アカウント名/パブリック
や、その下のドロップボックス
を使います。
「パブリック」の権限は、755です。他のユーザーが読むことができます。つまり、誰でも閲覧できるファイルを置く場所が「パブリック」です。 パブリックは、他の人がファイルを置くことはできません。読み出しのみが可能です。
「ドロップボックス」の権限は、733です。他のユーザーは書き込みだけ可能で、中身の閲覧はできません。つまり、特定の人に対して、ファイルを秘密裏に渡すことができるフォルダです。
使い方は、ファイルを送る側が、送りたいファイルを /Users/ファイルを受け取る人のアカウント/パブリック/ドロップボックス
にドロップするだけです。
なお、ドロップしたファイルは、自分からも見えなくなります(ドロップボックスフォルダの中を見る権限はないから)。
アプリをインストールするときは、ディレクトリに注意する #
話題は変わってアプリケーションのインストールについて。多くのアプリケーションが、インストールのディレクトリを /Applications
にしています。これでは、Macを共有する全てのユーザーに使用されてしまいます。他のユーザーに使われたくないアプリケーションは、必ず/Users/アカウント名/Applications
に置きます。
.dmg
からインストールするアプリは、アプリのアイコンを移動するだけなので簡単です。/Users/アカウント名/Applications
をFinderで開いておき、そこへドロップするだけです。
一方で、.pkg
からインストールするアプリは、ほとんどが /Applications
に勝手にインストールされます。この点によく注意して、アプリケーションをインストールしましょう。
Homebrewは、メインのユーザーを経由して実行する #
Homebrewは、それをインストールするユーザーを1人決めます。そして、他のユーザーは、その1人を経由して実行します。そうしないと、/opt/homebrew/bin
の中にあるリンク類のオーナーが混ざってしまい、brew install
やbrew upgrade
が失敗するようになります。具体的には以下のようにします。
- メインで使用するユーザーは、通常通り、homebrewをインストールする
- 別のユーザーは、
brew
にエイリアスを張りsudo -Hu メインのアカウント名 brew
で実行するようにします
alias brew='sudo -Hu メインのアカウント名 brew'
これにより、他のユーザーは、メインのユーザーの権限でbrewを実行するようになります。
まとめ #
Macをマルチユーザーで2年使ったノウハウをまとめました。Macをマルチユーザーで使用すると、1人で使っていると忘れがちな、Macのディレクトリ構造や権限の仕組みを、否応なく意識するようになります。
しかし、もしかするとこれは、安全にMacを使うためのノウハウでもあるかもしれません。例えば「ホームディレクトリに何かを作ったら権限を700に変更する」とかは、1人で使っていても、やっておいた方が安全だろうなと思いました(万が一他のユーザーが勝手に作られた時に、閲覧できないようにするため)。アプリケーションとかも、できるだけホームフォルダのApplicationsに置く方が安全なことも、あるかもしれません。
今回は以上です。